聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「斗真、今翠の頭を触る必要ありましたか?」
「はあ?」
「もしあるのなら百文字以内で説明してください。でないと、斗真が取っておいたプリン食べますよ」
「うーわ…本当にめんどくさいなぁもう。いいから早く翠ちゃんとイチャイチャしてろよ。あと、プリン食ったら許さねーから!」
あ、あれ…?
なんか、いつの間にか二人が喧嘩してる…?
一人であたふたしていたら、紫呉さんと斗真さんが何やら揉めている様子。
でも、斗真さんが紫呉さんに向かって何か言ったあと、そのまま部屋を出ていった。
「「………」」
…は、話したいのに、何から話せばいいのか分からない…。
私と紫呉さんが取り残されたものの、なぜかお互い無言になってしまった。
私は私で二人きりという状況に緊張しているし、そんなドキドキが相まってどうにかなってしまいそう。
……あ、紫呉さんがこっちに来る…っ?
ずっと扉の前で立っていた紫呉さんが動き出し、こちらに歩いてきた。