聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「迷惑かも、しれないっ…また、危険に巻き込んじゃうかもしれない…っ、けど…」



途切れ途切れの言葉は、ちゃんと伝わっているのかな。



でも…どんなに下手でも伝えたいんです。



貴方の優しい声を聞くだけで、



貴方の強い腕に抱かれるだけで。



「紫呉さんが好きで好きで、大好きでっ…。愛おしくって、たまらないんです…っ」



涙が溢れ出るほどに、誰よりも貴方を愛しているということを。



「っ…なんですか、それ…」



「な、何って……」



「っそんなの、俺だってそうです。こんなに誰かのことを守りたいと思うのは、愛おしいと思うのは…翠だけですよ」



「っ…!!」



顔を上げると、紫呉さんの瞳が私だけを映していて。



「…愛しています。この世の誰よりも」



「っ…私も…」



どちらともなく、唇を重ねあった。



頬に添えられた大きな手。



私を引き寄せる優しい腕が…たまらなく愛おしい。



初めてのキスは甘くて甘くて、とろけてしまいそうだった。



冷たい鳥籠から救い出してくれたのは、誰よりも強くてかっこいい王子様。



そんな貴方に愛されていたら、私は世界でいちばん幸せなお姫様でいられるんじゃないかな。



貴方が私を守ってくれるなら、私も貴方を力の限り守ります。



守られてばかりのお姫様じゃ、嫌だから。
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