聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「“うちの学校の王子様と翠が出かけたんだけど、心配だから迎えに行ってくれません?”とすぐに伝えてくれましたが」



ひ、ひぃ…っ!紫呉さんの目が怖いよっ…!



目の前の紫呉さんがブリザード級の冷気をまとっているようで、背筋が凍る。



「どういうわけか、説明してもらっても?」



口元は笑っているのに、目が全く笑ってません…!



自業自得とはいえ、紫呉さんに怒られるのはかなり堪える…。



でも、ここは正直に話すしかない。



こうなった事の始まり…蓮見先輩と出会ったところから、全てを話した。



蓮見先輩に変な違和感を感じたことや、ゼラニウムの香りがしたこと。



それから、昔一緒に遊んでいた女の子が実は蓮見先輩で、思いを寄せられていたこと。



その告白を断ったら、脅し…のようなことをされて、自ら蓮見先輩の指示に従ったことなど…。



包み隠さず話し終えた頃には、紫呉さんの顔から笑が消えていた。
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