聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「私、ずっと年上だとばかり思ってました…」



それならやっぱり、紫呉さんに敬語を使うのはちょっと変…になっちゃうのかな?



でも…紫呉さんに対してタメ口っていうのはなんとなく違和感がある。



…むしろ違和感しかない。



「たしかに、翠は最初から敬語でしたね」



納得しながら紫呉さんがくすくす笑う。



……紫呉さん、朝から眩しすぎます。



その優美な微笑みが朝日に照らされて、胸の奥がキュンと鳴った。



しばらく敬語は抜けそうにないなぁ…なんて思っていると、私はとあることに気がついた。



よく良く考えれば、それって私だけじゃない…よね?



「紫呉さんも敬語…ですよね?誰に対しても」



そう、敬語なのは私だけではないはず。



紫呉さんだって、出会った時からずーっと敬語だ。



しかも、私に対してだけじゃない。



紫呉さんは接する相手が変わろうと、私と同じようにどんな人でも敬語だった気がする。
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