聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

本当に付き合ってるんだという実感が湧いてきて、頬が緩んだ。



「ふふっ…楽しみだなぁ…」



「何が楽しみだって?」



独り言をこぼした途端に聞こえてきた声にびっくりして、思わずガバッと振り向いた。



「っ!?さ、彩那ちゃんっ…!!」



相手は言わずもがな、なぜか真顔の彩那ちゃんで。



「あの人、公衆の面前で翠に何してんだか…。昨日の焦りっぷりとは大違いだね」



そ、そういえばここって…まだ校門の前!?



さっき紫呉さんにされたことが色んな人たちに見られていたのだと思うと、後になって羞恥心が襲ってきた。



うぅ…恥ずかしすぎるよ…。



紫呉さんは人目を気にしない人なのか、ああいうことを平然と人前でやってのけてしまうから、ちょっと自重して欲しい…。



でも気になったのはそれだけじゃなくて、彩那ちゃんの最後のセリフが引っかかった。
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