聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「紫呉さんが…焦ってたの?」



紫呉さんが焦っている姿なんて全く想像できないから、不思議に思って聞いてみる。



「そりゃあもう…凄かったよ?翠が蓮見先輩と出かけたって言ったら、お礼言ってすぐにブチ切りしたからね。いつもの余裕そうな感じがほとんどなかったし、相当でしょ」



彩那ちゃんにそこまでいわれて、本当に迷惑と心配をかけてしまったのだと反省した。



これからは、なるべく紫呉さんに相談してから行動に移そう…。



「っていうかそうだよ!あの後は結局どうなったの!?蓮見先輩は…!?」



一人でまた反省会をしていると、彩那ちゃんに肩を捕まれ思い切り揺さぶられた。



「えっと、その……」



正直、心配をかけてしまうからあまり話したくはない……けれど。



彩那ちゃんが私の携帯を拾って、紫呉さんの電話に出てくれたからこうして今がある。



元気に学校に来れて、みんなと話せているのは彩那ちゃんのおかげだ。
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