聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
…うん、ちゃんと話さなきゃ。
「長くなるから、お昼休みじゃダメかな……?ちゃんと話すし、きちんとお礼も言いたいの」
覚悟を決めて、真っ直ぐ彩那ちゃんを見つめる。
「なんかワケありってことね、おっけ!翠がそう言うなら昼休みにしよ。四限が終わったらお弁当持って非常階段ね」
彩那ちゃんはすぐに頷いてくれて、可愛いウインクをしてくれた。
「うんっ、ありがとう…!」
「も〜!翠にお願いされたら断れるわけないでしょ?この美少女め!!」
「わっ!?さ、彩那ちゃん苦しいよっ…」
ぎゅむっと強く抱きしめられて、少し苦しかったけど…。
彩那ちゃんの腕の中にいられることが、とても嬉しかった。
*
「…っていうことがあったんだけど…その、彩那ちゃん…?」
「………」
「お、怒ってる…??」
私の小さく情けない声は、果たして彩那ちゃんに届いているのかどうか。