聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「だから、曖昧な言い方になっちゃったんです…」
離しているうちにだんだん声が小さくなって、最後の方は消え入りそうな声になってしまった。
「なるほど…。でも、今さら?って思うかもだけどさ、大事なことじゃない?」
「う……や、やっぱり…?」
「うん。大事大事」
二度も…いや、三度も言われてしまったら、確認せざるを得ない。
よし、頑張ろう…!って、頑張ることなのかわからないけど。
「ありがとう彩那ちゃん。今日の放課後にデートする約束してるから聞いてみ───」
「デート!?デートするの!?」
すると、またもや話を遮って私の肩を掴んだ彩那ちゃん。
「う、うんっ。そうだよ?」
「もー!早く言ってよそういうことは…!危うくそのまま送り出すところだったじゃん!」
危うく…?そのまま…って?
よく見てみたら、私が困惑しているうちに大きなポーチを手にしている。
一体どこから出てきたんだろう…??