聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「り、リンゴ…??」
彩那ちゃんの言ってることがまるでわからない…。
一ミリも理解できなくて、さっきからオウム返しばっかりしてしまう。
実は昼休みの最後の方は、彩那ちゃんが私にメイクを施してくれていた。
今まで一度もしたことがない私にとっては、もう何が何だか…。
それでも彩那ちゃんは、私のために一生懸命考えて髪の毛まで可愛くしてくれたんだ。
似合ってないから見られているのかも…と思うのは、彩那ちゃんに対して失礼なのかもしれない。
でも、下駄箱に近づくにつれて私への視線がどんどん増えていく。
どうしよう…ちょっと…いや、かなり緊張する…。
今から紫呉さんと会うけれど、どんな反応をされるのか不安になってきた。
「いーい?今の翠はリアル二次元美少女なの。この姿で紫呉さんと会えば、悩殺確定!!ってことで…ほら、行っておいで!!」
上履きからローファーに履き替え、ビクビクしながら外へと出ると。
「…っ!!」
「あ……し、紫呉さん…?」
待っていた紫呉さんが私を見た途端、真っ白な肌をみるみるうちに赤く染め上げた。