聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「えっ…ど、どうしたんですか…っ!?ね、熱とかあるんじゃ…?!」
突然変異(?)した紫呉さんは何も言わず、ただ黙って私の顔を凝視しているだけ。
紫呉さんの顔、すっごく真っ赤だ…っ!
こういう時はどうすればいいの…!?
人の顔がここまで赤くなるところを初めて見た私は、軽くパニック状態に陥ってしまう。
「っ…なんで、そんなに…」
ぽつり、紫呉さんがこぼした瞬間。
「え…って、わっ!?」
それを聞き取ろうと近づいたら、紫呉さんの腕が伸びてきて捕まってしまった。
し、しししし紫呉さん…!?
なんで私、こんなみんなの目の前で抱きしめられて…!?
大勢の視線に晒される中で抱きしめられ、動揺と羞恥心が隠しきれない。
彩那ちゃんもびっくりしていて、目をまん丸にして驚いている。
うぅ、恥ずかしすぎるよっ…。
「っあの、紫呉さん…っ?とりあえず、一旦ここから───」
場所を移しましょう?って、伝えようとしたのに…。
「…それ以上可愛くなって、俺をどうするつもりですか?」
「っ!!」
耳元で響く低い声。