聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「はいストーップ!二人の世界に入るんならよそでやってくださーい」
色々とキャパオーバーでどうすればいいのかと脳内で慌てていると、彩那ちゃんの呆れた声が聞こえてハッとする。
わ、私こんな人前で何やってるんだろう…!?
自分がされていたことの恥ずかしさを改めて自覚すると、一気に顔が火照り始める。
とにかく、紫呉さんから離れなきゃ…!
一刻も早く紫呉さんから離れるため、腕から抜けようとしたら。
「すみません。翠があまりにも可愛くて、つい」
「っ!?」
なぜか腕に込められた力がより強くなってびっくり。
「し、紫呉さんっ…?その、そろそろ離してもらっても…」
「無理です」
そ、即答されちゃった…。
「今の翠の可愛さは警報レベルなんですよ?このまま腕の中に閉じ込めて、俺だけのものにしてしまいたくなる」
「っ!!」
「…そろそろ自覚してください。翠に翻弄される俺の我慢も、かなり限界に近いってこと」
あぁ、だめだ。
やっぱり、紫呉さんには敵わない。
「…っ。は、はい……」