聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
頭では離れなきゃって思うのに、体が言うことを聞いてくれないの。
もっと紫呉さんに触れていたいと思ってしまえば、制御不能になってしまう。
「…ということで、翠はお借りしますね」
「あ……あぁ、はい。どうぞどうぞ。もう勝手にしてください、私ももう帰るんで」
って、そうだ…!ここはまだ学校の敷地内で、そばには彩那ちゃんもいるんだった…!
我が物顔の紫呉さんが私の肩を抱くと、彩那ちゃんは呆れたように手をヒラヒラ振り返す。
「じゃあね翠、楽しんできな。また明日話聞かせてよ?」
「う、うんっ…!ありがとう彩那ちゃん…!」
彩那ちゃんに精一杯のお礼を伝え、紫呉さんに肩を抱かれながらその場を後にした。
「…ところで翠、行きたい場所は考えましたか?」
人通りの多い街路樹にやって来たところで、そういえば…と我に返る。
デートデートと言ってはいたのはいいけど、肝心の場所については一切考えていなかった…!
「ぜ、全然考えてませんでした…すみません」
「今朝も言ったでしょう?翠の希望するところがなかったら俺がエスコートすると」