聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
変な意味でおかしいんじゃなくて、飲み物までカッコイイなんて流石だなぁと思わずにはいられなかった。
「入りましたよ…って、どうしたんです?」
ティーカップと焼き菓子を乗せたトレーを机に置いた紫呉さんに言われて、ドキリとする。
「へっ…?な、何がですか…?」
「顔、すごいにやけてましたよ?」
紫呉さんが自分の頬を指さして、物珍しそうな私を見つめてきたから無意識に手をブンブン横に振った。
「な、なななななんでもないですよ!!?紫呉さんの気のせいだと思います!!!」
「それは流石に無茶があると思いません?」
その一連の動作を見て、くく…っと笑う紫呉さん。
うぅっ…穴があったら埋まりたい…。
もう入りたいとかいう次元を超えていて、恥ずかしさのあまり手で顔を覆ってしまう。
「ふっ…翠の顔、真っ赤っか。このやり取り、何回したかわかんないですね?」
「もうっ、いちいち言わないでください…!紫呉さんの意地悪っ…」
私なりの反撃をしたくて口を尖らせると、何故か今度は紫呉さんが動揺し始めた。
「っ、あー…すみません、もう言わないですから…。機嫌直してください、ね?」