聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
紫呉さんって、本当に紅茶が好きなんだなぁ…。
紅茶の話をしている紫呉さんは、いつも以上に饒舌になるんだよね。
こういう一面を見る度に、紫呉さんのことをもっともっと知りたくなる。
今までずっと踏み出せなくて、紫呉さんの心に土足で踏み込むことを躊躇っていたけれど。
「…紫呉さん。私、紫呉さん聞きたいことがあるんです。聞いても、いいですか…?」
今日こそ、紫呉さんの心に触れさせてください。
「…いいですよ。俺も翠に話したいことと、謝りたいことがあるんです。でも…翠の方からどうぞ」
謝りたいこと…?ってなんだろう。
少し引っかかったものの、後で聞こうと心に決めて。
「…紫呉さんがこのNovaにいる理由って、なんですか?」
直球に、言葉を投げた。
「“ココ”にいる意味…ですか。翠はそれを知ってどうするつもりです?…俺から離れていくつもりだったら、尚のこと離さない。この身を捨てでも、あなたを守ると誓ったんですから」
いつもより力強い声と、熱い眼差し。
ストレートに届いたと確証するけれど、どこか誤解を生んでいるように思えた。
紫呉さんは、その理由を知ったら私が離れていくと思ってる…?