聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
だから、わかってもらわなきゃそれこそ困るんです。
「……伝わりましたか?」
不安になりながらも聞いてみると、紫呉さんは耳まで真っ赤にしていて。
「っ、はい。…もう、十分伝わりました」
そう言いながら、何度も首を縦に振った。
「……ありがとうございます。翠がそんなふうに思ってくれていたことはもちろん、いつもはしないような行動をとってまでこうして伝えてくれたこと。本当に、心の底から嬉しいです」
そういえば私、紫呉さんに抱きついたままなんじゃ…。
「〜〜っ!!」
ようやく自分がとても大胆な行動をしていることに気がつき、勢いよく紫呉さんから距離をとった。
「わ、私も…わかってもらえてよかったです…」
「…別に、そのままでもいいんですよ?」
ニヤリと笑う紫呉さんはいつもの調子を取り戻したみたいで、甘い低音が耳元に落ちてきた。
「っ…もう、意地悪しないでくださいっ…!」
「ふっ…すみません。翠が可愛くてつい」
「…っ」
このやり取りも、何回したかわかんない。
でも、こうやって紫呉さんと過ごす時間も大好きなの。