聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
悪意に満ち満ちた不良さんの表情は、見ているだけでも悪寒が走る。
逃げたいのに、私を掴む腕の力が強すぎて逃げ出せない。
「おい、後ろから奴来てんぞ!って、その美少女誰だよ!?」
私が怯えている間に、もう1人同じような人が来てしまった。
「お前はこいつを連れてこい!時間がねぇんだ、とっとと行くぞ!!」
「はぁ!?」
え…私、どうなっちゃうの?
連れてこい…ってなに…??
自分が置かれている状況を把握出来ない。
でも、この人たちに連れていかれたらダメだと直感的にわかる。
今日はただ、お使いに来ただけなのに。
本当なら今頃は、スーパーでお買い物していたはずなのに…なんでこんなことになってるの…?
どうすることもできない自分の非力さと、この世の理不尽に耐えられなくて。