聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「誰か、助けて…っ…」
気づいた時には、そう零していた。
「っ…ふ…っぅ…」
次第に溢れてきた涙が頬を伝って、地面にこぼれおちていく。
もう諦めるしかないんだ……。
そう絶望して俯いた次の瞬間。
「お前何泣いて────ぐぁっ!?」
私を掴んでいた不良さんが、遥か遠くに吹き飛ばされていた。
っえ……?
「大丈夫か───ぅぐっ!!」
もう1人もまた同じように飛ばされていて、2人とも血を流している。
こ、これは何が起きて……。
今起きていることが信じられなくて顔を上げると。
「…俺たちのシマでこういうことするのはやめていただきたい。ましてや関係の無い女性に乱暴など…言語道断です」
っ…な、何この人…。