聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
でも、それはでお気に召さなかったらしい。
「もっとちゃんと握ってください」
2人の手と手は固く結ばれ、いわゆる恋人繋ぎというやつになってしまった。
「こ、これっ…」
なんでわざわざ恋人繋ぎにする必要があるんですか…!?
繋がれた手に意識がいってしまって、冷や汗が流れる。
「何か不満でも?」
不満ありまくりです!と言いたいものの、そんなこと言ったら今度こそ何をされるかわかったものじゃない。
「は、恥ずかしい…です…」
だから、言葉を選んで口にした。
私よりも高い目線にある紫呉さんの顔を見ようとすると、どうしても見上げる形になっちゃう。
首が痛い…と思いながら紫呉さんの返答を待っていたら。
「……紫呉さん?なんか、顔が赤…」
「っ、今こっち見ないでください」
「へっ…?」
紫呉さんの顔から首にかけて、真っ赤になっていた。