聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
どうしてかわからず、首をこてんと傾げる私。
「…っあーもう、それわざとやってます?」
と、道端でしゃがみこんでしまう紫呉さん。
「し、紫呉さんっ…?!大丈夫ですか…!?」
「っ…反則すぎますよ、あんなの。2人きりだったらどうなってたことか…」
はたから見たらさぞおかしな光景なのだろう。
さっきよりもずっと多くの視線が集まっている気がする。
「…あの、ごめんなさい。私、なにかしちゃいましたか…?」
だから私も紫呉さんと同じようにしゃがんで、そう尋ねた。
さすがにここにずっといるわけにもいなないし…早く立ってもらわないと。
「…翠は、そういうことを他の男にもやるんですか」
初めて聞いた紫呉さんの不安そうな声。
それがあまりにも弱々しくて、なぜか苦しくなる。
「そういうこと…って…?」