聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

紫呉さんが何を指しているのかわからず聞き返すと、バツが悪そうに返した。



｢っ、だから…あんな不用意に近づいて、上目遣いで｢恥ずかしい｣とか言ったりするんですかって聞いてるんです｣



上目遣い…って、なんの話…？？



一瞬理解できなかったけど、すぐに察した。



もしかして、紫呉さんを見上げたのがいけなかったの…？



上目遣いの何がいけないのか…未だにわからない。



でも、もしそれが原因で紫呉さんが悲しんでいるのなら…。



｢いえ、したことありません…！だって私、紫呉さん以外の男の人と話すのは滅多にないですし…紫呉さんみたいに身長が高い人と接することは、まずないですもん｣



ちゃんと否定しないといけないと思った。



｢…ほんとに？嘘じゃないですよね？｣



｢ほんとのほんとです…！信じてください！｣




紫呉さんに信用してもらえるほど、まだ親しくはないけど…。