聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
って、そりゃ紫呉さんにも家族はいるよね。
何を当たり前のことで驚いてるんだろう…と思いつつ、やっぱり不思議に感じるのはなんでかな…?
「そーそー…あ!キミ、どこかで見たことあると思ったら、この前の倉庫から走って出ていった子じゃない?」
「2人は知り合いだったんですか?」
「えっ?うーん…」
紫呉さんと斗真さんに一気に質問されて、頭がこんがらがる。
斗真さんとはどう考えても初対面……。
「あっ…!思い出しました!たしかに、声をかけられた気がします!」
うん、そういえばそうだった。
倉庫から出ようとした時、誰かに話しかけられたのを思い出して首を縦に振る。
「やっぱり?まー間違えるわけないよね。こんな可愛い子のこと。ねぇねぇ、名前なんて言うの?」
「な、名前…?」
たしかにまだ言ってなかったかもしれない。