聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
こ、この2人の会話は聞いてるだけでヒヤヒヤする…。
それは聞いてるこっちが心配になってきてしまうほど。
「まぁまぁ、落ち着きなよ。今日はなんかあってここに来たんだろ?とりあえず中はいろーよ」
あ、そうだった…!
すっかり忘れてたけど、本当はきっとこれからの事を話すために連れてこられたはず。
こんな話をしている場合ではないのだ。
「話をややこしくしたのは誰だと思って…はぁ…やめです。こんなのと話していても時間の無駄でした」
「あっ、ひっどーい!弟に向かってそんなこと言っていいの?」
「無論、問題ないでしょう」
「うっわ、マジで言ってる?」
…炎と水みたいな兄弟だなぁ。
紫呉さんの腕の中で、ぼんやりとそんなことを思っていた。