聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「ちょっ、だから俺の扱い酷くね!?バイ菌扱いじゃんか!」
「そこまで言ってません。それとも、自分でそう思ってるんですか?」
「もうっ…!2人とも仲良くしてください!!」
顔を合わせればああじゃないこうじゃないって…幼稚園児じゃあるまいし…!
これだと一向に話が進まない気がして声を上げると、2人はようやく納得したように言い合いをストップした。
「…斗真、せめて翠の隣は俺に譲るのが普通です。それくらいの常識はあるでしょう」
なるべく感情を抑えてそう言う紫呉さんを、意外そうな目で見る斗真さん。
「なに、俺に嫉妬したんだ?」
え……嫉妬?紫呉さんが斗真さんに…?
紫呉さんの方をちらりと見たら、黙り込んでしまった。
「…そうです。斗真に嫉妬をする日が来るなんて思ってもいませんでしたが、翠絡みになるとそういう感情も出てくるらしい。最近初めて知りました」