聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「っ…!!」



初めて…って、そんなことある…?



「へぇー…それは良かったね。でも、翠ちゃんが顔真っ赤だからそのくらいにしてあげれば?」



「〜っ!」



紫呉さんは毎回言うことが真っ直ぐすぎて、時々怖くなる。



大人びている人だと思ったら、実は案外子供っぽいところもあったり…。



逆に、変なところで恥ずかしがったりする紫呉さん。



ギャップの塊のような人だと思う。



「…翠、斗真の前でそんな可愛い顔をするんじゃありません」



「っ、そ、んなこと言われても…」



私にどうしろって言うんですか…?



なんて言い返す余地もないまま、優しく頭を撫でられて。



「翠の可愛い顔を見ていいのは俺だけです。それが、彼氏の特権というものでしょう?」



口を尖らせる紫呉さんに、私は胸キュンゲージがMAXになった。



っ…なんなんですか、それ…。
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