聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「起きてましたか。いや、起こしてしまったの間違いですかね」



現れたのは、さっき私を助けてくれたイケメンさんで。



この場所に似合わないティーカップとお菓子を手に、独り言をつぶやいた。



「っあ、あの…!さっきはどうもありがとうございましたっ…!」



まずはとにかく感謝しないと。



この場所がどういうところなのか、この人がどんな人なのかわからない。



でも…助けてくれたことには変わりないから。



「すごく嬉しかったです」



こうするのは普通のことだよね…?



そう思っていたのに、彼はポカンとしてから一拍置いて口を開いた。



「……あなた、馬鹿ですか?」



「……へ?」



ば、ばか………??



私に言われた言葉だとは思えなくて首を傾げると、「はぁ…」とため息をつかれてしまった。
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