聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい

「翠、今度予定が分かったら教えてください。空けておきますから」



だけど、私の方を向いた瞬間に紫呉さんの表情は柔らかくなった。



「はいっ…!ありがとうございます…っ!」



えへへっ、やったぁ…!



ほんとに紫呉さんとデートができるなんて…。



帰ったらスケジュール帳を確認しておこう。



あと、密かに書いている日記に書こうかな。



お気に入りのピンクのペンで書いちゃったりして…。



まだいつになるかも決まっていないのに、今からワクワクしてしまう。



「とりあえず、今日のところはこれでいいでしょう。話しておきたかったことは伝えられたと思うので」



浮かれ気分だった私は、紫呉さんの声で冷静を取り戻す。



「わかりました」



私、完全に浮かれちゃってた…。



うぅ…一人でこんなに盛り上がっちゃって恥ずかしすぎる…。



紫呉さんは普通にしているし、嬉しいのは私だけ。
< 84 / 326 >

この作品をシェア

pagetop