聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
「翠、今度予定が分かったら教えてください。空けておきますから」
だけど、私の方を向いた瞬間に紫呉さんの表情は柔らかくなった。
「はいっ…!ありがとうございます…っ!」
えへへっ、やったぁ…!
ほんとに紫呉さんとデートができるなんて…。
帰ったらスケジュール帳を確認しておこう。
あと、密かに書いている日記に書こうかな。
お気に入りのピンクのペンで書いちゃったりして…。
まだいつになるかも決まっていないのに、今からワクワクしてしまう。
「とりあえず、今日のところはこれでいいでしょう。話しておきたかったことは伝えられたと思うので」
浮かれ気分だった私は、紫呉さんの声で冷静を取り戻す。
「わかりました」
私、完全に浮かれちゃってた…。
うぅ…一人でこんなに盛り上がっちゃって恥ずかしすぎる…。
紫呉さんは普通にしているし、嬉しいのは私だけ。