聡明なインテリ総長は、姫を余すことなく愛したい
そんな紫呉さんが、この世の誰よりも愛おしい。
好きの気持ちが溢れ出そうになっていたら、「おーい」と斗真さんの声が聞こえた。
「2人とも俺の存在忘れてねぇ?」
と、斗真さんもいたのに私なんてことを…。
すっかり斗真さんもこの場にいることを忘れていて、今更恥ずかしくなってきた。
「斗真はどこまで俺たちの邪魔をする気なんです?俺は翠を送っていくので、さっさと帰ってください」
「はいはい、邪魔者は退散しますよー」
紫呉さんは明らかに声のトーンを落として言うと、斗真さんは適当に頷く。
私も荷物まとめようかな…?
紫呉さんが食器を片しているうちに、脱いでいたカーディガンを羽織ろうとしたとき。
────プルルルル プルルルル
私のスマホが振動して、着信音が流れ始めた。
取り出して確認したら、『あーちゃん』と表示されいる。