地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。

白洲は手で顔を覆って、顔が見えないようにしているが、鼻を啜る音を立てている。


赤宮は耐えきれず横を向いて、もうガッツリ泣いてしまっている。桃子の名前を呟きながら。


青葉も耐えきれず泣いてしまっている。
涙が抑えきれず上をむいて必死に止めようとしている。目を真っ赤にして。


黒神は、泣いてはいないものの、桃子を見ないように横を向いたり後ろを向いたりしていた。だが、桃子が泣き出して、耐えきれなかったよう。


自分でも気付かないうちに、桃子の方へ走り寄っていた。

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