地獄から救ってくれたのは極道の人達でした。

そこには可愛らしい生まれたばかりの赤ちゃんが並んでいた。

もちろん桃子もその中にいる。


ただ、母親は桃子を見ずに他の男の子の赤ちゃんを見ていた。

あれが自分の子ではないのか、そう思うようになった。

それからというもの桃子に会いに行くのではなく、他の子の男の子の赤ちゃんを見に来るようになった。


「元気にしてた?」

「かわいいね」


そう語りかける。

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