【短編】隣の席の田中くんにはヒミツがある
隣の席の浜田さん 田中side
恥ずかしそうに保健室を出て行った浜田さんを見送った俺は、ふぅーっと長く息を吐いてから呟いた。
「……っとに、何であんな可愛いんだよ」
さっき見た柔らかい笑顔を思い出す。
思わず頭を撫でたくなるような……ギュッと抱きしめたくなるような、そんな笑顔。
しかもその笑顔は俺のケガの痛みが少しでもなくなったからっていう理由から。
つまり、俺のために浮かべられた笑顔。
「やば……嬉しい、かも」
誰も見ていないけど、熱くなった顔を隠すように左手で口元を覆った。
多分、俺は浜田さんが好きだ。
一週間遅れで初登校したあの日、あまり気にしない様にしようと思っていたけれど実は結構緊張してたんだ。
同じ小学校から上がって来た同級生もいるけど、一週間も経てばそれなりに中学生として慣れて来てるだろうし。
家の手伝いで今日みたいなミスしてケガをしてたから仕方なかったけど、みんなより一週間分色んなことが遅れてしまったことは確かだから。
そうして緊張しながら教えられていた自分の席に座ったら、隣からの視線を感じた。
見惚れているような視線はよく向けられるものだったから、無難な感じに挨拶をしたんだ。
「……っとに、何であんな可愛いんだよ」
さっき見た柔らかい笑顔を思い出す。
思わず頭を撫でたくなるような……ギュッと抱きしめたくなるような、そんな笑顔。
しかもその笑顔は俺のケガの痛みが少しでもなくなったからっていう理由から。
つまり、俺のために浮かべられた笑顔。
「やば……嬉しい、かも」
誰も見ていないけど、熱くなった顔を隠すように左手で口元を覆った。
多分、俺は浜田さんが好きだ。
一週間遅れで初登校したあの日、あまり気にしない様にしようと思っていたけれど実は結構緊張してたんだ。
同じ小学校から上がって来た同級生もいるけど、一週間も経てばそれなりに中学生として慣れて来てるだろうし。
家の手伝いで今日みたいなミスしてケガをしてたから仕方なかったけど、みんなより一週間分色んなことが遅れてしまったことは確かだから。
そうして緊張しながら教えられていた自分の席に座ったら、隣からの視線を感じた。
見惚れているような視線はよく向けられるものだったから、無難な感じに挨拶をしたんだ。