【短編】隣の席の田中くんにはヒミツがある
***
友達の奈美ちゃんも登校してきて、休みの日は何をしていたのかとか、他にも気になるカフェやショップの情報交換をしたり。
そんな他愛のない会話をしていたときだった。
チャイムが鳴るまであと五分という頃。
何だか廊下の方が騒がしいと思っていたら、背の高い男子生徒が近くに来たことに気付く。
奈美ちゃんとの話しに夢中で近くに来るまで気付かなかった。
こんなに背が高い人クラスにいたっけ?
なんて疑問を浮かべていたら、その人は私の隣の席に腰を下ろす。
え? そこって……。
田中くんの席じゃあ……と思わず目を向けて、私は固まった。
そこには、見たことが無いほど綺麗な顔立ちをした男の子がいたから……。
短くても分かるサラサラな黒髪。
眼鏡の奥にあるスッキリした目は焦げ茶色で、肌もスベスベ。
鼻も高めで、唇は薄め。
廊下が騒がしかったのはこの人のせいだったんだなぁ、と思いながらつい彼の横顔に見惚れちゃってた。
そうしてポーッと見ていたせいかな?
私の視線に気付いた彼はこっちに顔を向けた。
「初めまして、田中佳です。隣の席みたいだし、しばらくよろしく」
ニコッと笑って挨拶をされる。
スッキリした目の所為か黙っていると少し冷たそうにも見えたけれど、笑うと結構人懐っこい感じ。
正面から見ても綺麗な顔だなぁ……。
なんて見惚れていると、さっきまで話していた奈美ちゃんに肘で突かれた。
「ちゆっ! 何黙ってるの⁉ 挨拶されたんだから返しなさいよ!」
指摘されてハッとする。
そうだ、今の言葉は私に向けられたものだったんだ。
友達の奈美ちゃんも登校してきて、休みの日は何をしていたのかとか、他にも気になるカフェやショップの情報交換をしたり。
そんな他愛のない会話をしていたときだった。
チャイムが鳴るまであと五分という頃。
何だか廊下の方が騒がしいと思っていたら、背の高い男子生徒が近くに来たことに気付く。
奈美ちゃんとの話しに夢中で近くに来るまで気付かなかった。
こんなに背が高い人クラスにいたっけ?
なんて疑問を浮かべていたら、その人は私の隣の席に腰を下ろす。
え? そこって……。
田中くんの席じゃあ……と思わず目を向けて、私は固まった。
そこには、見たことが無いほど綺麗な顔立ちをした男の子がいたから……。
短くても分かるサラサラな黒髪。
眼鏡の奥にあるスッキリした目は焦げ茶色で、肌もスベスベ。
鼻も高めで、唇は薄め。
廊下が騒がしかったのはこの人のせいだったんだなぁ、と思いながらつい彼の横顔に見惚れちゃってた。
そうしてポーッと見ていたせいかな?
私の視線に気付いた彼はこっちに顔を向けた。
「初めまして、田中佳です。隣の席みたいだし、しばらくよろしく」
ニコッと笑って挨拶をされる。
スッキリした目の所為か黙っていると少し冷たそうにも見えたけれど、笑うと結構人懐っこい感じ。
正面から見ても綺麗な顔だなぁ……。
なんて見惚れていると、さっきまで話していた奈美ちゃんに肘で突かれた。
「ちゆっ! 何黙ってるの⁉ 挨拶されたんだから返しなさいよ!」
指摘されてハッとする。
そうだ、今の言葉は私に向けられたものだったんだ。