【短編】隣の席の田中くんにはヒミツがある
「え⁉ 何、どうした⁉」
突然泣いてしまった私を奈美ちゃんは教室の後ろの方に誘導して、なだめながら話しを聞いてくれる。
私自身初めての感情をどうしていいのか分からなくて、さっきあったことを洗いざらい話してしまう。
辛くて、苦しい。
悲しくて、涙が止まらない。
心の中がぐちゃぐちゃで、どうすれば涙を止められるのか分からない。
「つまり、田中くんが西園寺先輩に好きって言ってたところを見たってことね?」
「うんっ……『そうです、好きですよ!』って、うっ」
思い返して、また涙が溢れる。
どうしたら止められるんだろう、この涙。
「……でもそれ、“誰が”好きとは言ってないよね? 直前まではただ仲良く話していたんでしょう? その話の流れで何かを好きだって話になっただけかもしれないよ?」
「え……?」
私の話を聞いてから少し考え込んだ奈美ちゃんが冷静に分析する。
「あたしは実際に見たわけじゃないから分からないけど、田中くんが西園寺先輩を好きだって言ったわけじゃないんでしょう? だったら、勝手に人の気持ちを決めつけちゃあダメだと思うよ?」
「あ……」
奈美ちゃんの言葉にハッとした。
突然泣いてしまった私を奈美ちゃんは教室の後ろの方に誘導して、なだめながら話しを聞いてくれる。
私自身初めての感情をどうしていいのか分からなくて、さっきあったことを洗いざらい話してしまう。
辛くて、苦しい。
悲しくて、涙が止まらない。
心の中がぐちゃぐちゃで、どうすれば涙を止められるのか分からない。
「つまり、田中くんが西園寺先輩に好きって言ってたところを見たってことね?」
「うんっ……『そうです、好きですよ!』って、うっ」
思い返して、また涙が溢れる。
どうしたら止められるんだろう、この涙。
「……でもそれ、“誰が”好きとは言ってないよね? 直前まではただ仲良く話していたんでしょう? その話の流れで何かを好きだって話になっただけかもしれないよ?」
「え……?」
私の話を聞いてから少し考え込んだ奈美ちゃんが冷静に分析する。
「あたしは実際に見たわけじゃないから分からないけど、田中くんが西園寺先輩を好きだって言ったわけじゃないんでしょう? だったら、勝手に人の気持ちを決めつけちゃあダメだと思うよ?」
「あ……」
奈美ちゃんの言葉にハッとした。