【短編】隣の席の田中くんにはヒミツがある
エスパーの田中くん
「ここで座ってやり過ごそう。あいつらの本来の目的は西園寺先輩だし、このまましばらく隠れていればわざわざ追ってはこないだろうから」
座って、と私を促しながら先に腰を下ろす田中くん。
「ちゃんと全部話すから」
「……うん、分かった」
聞きたいことはたくさんある。
想像していたのとはかなり違う状況だけれど、二人きりで話をするチャンスだもん。
今を逃したらきっとまたろくに話せない毎日が続きそうだしね。
私は田中くんの隣に腰を下ろして、何から聞こうかと考えた。
けれど、私が質問するより先に田中くんの方から話してくれる。
「えっと、とりあえずさっきの事だよな」
「あ、うん。あの黒服の人たちって何なの? 田中くん、西園寺先輩を守ってるって言ってたけど……」
守っているのは田中くんが西園寺先輩のことを好きだから?
今朝の光景を思い出してズキッと胸が痛む。
奈美ちゃんと話して私の早とちりかもしれないとは思ったけれど、やっぱり二人が並んだ姿がお似合いすぎて……。
ちょっと落ち込む私に、田中くんは予想もしていなかった答えを口にした。
座って、と私を促しながら先に腰を下ろす田中くん。
「ちゃんと全部話すから」
「……うん、分かった」
聞きたいことはたくさんある。
想像していたのとはかなり違う状況だけれど、二人きりで話をするチャンスだもん。
今を逃したらきっとまたろくに話せない毎日が続きそうだしね。
私は田中くんの隣に腰を下ろして、何から聞こうかと考えた。
けれど、私が質問するより先に田中くんの方から話してくれる。
「えっと、とりあえずさっきの事だよな」
「あ、うん。あの黒服の人たちって何なの? 田中くん、西園寺先輩を守ってるって言ってたけど……」
守っているのは田中くんが西園寺先輩のことを好きだから?
今朝の光景を思い出してズキッと胸が痛む。
奈美ちゃんと話して私の早とちりかもしれないとは思ったけれど、やっぱり二人が並んだ姿がお似合いすぎて……。
ちょっと落ち込む私に、田中くんは予想もしていなかった答えを口にした。