人生3度目の悪役姫は物語からの退場を希望する
「アリアも潔すぎる。部屋で離縁状見つけたとしてもさぁ、もうちょっとゴネるとか、バカにしないでって突っぱねるとか、あっても良くないか」
いっそのことアリア本人に詰め寄られて責められたかった。
でもアリアが選んだ答えは、同意。
きっとアリアの事だから、皇太子らしく国のために秤にかけるまでもなく妃を切り捨てる事を選んだんだろうと判断したに違いない。
「アリアの無駄に回る気遣いと察しの良さが憎い」
でもこの場合は完全に読み違いだとロイは全力で抗議したい。
やっと目が覚めたのに、とロイは嘆く。
こんな事なら多少回りくどくなっても自ら出向かずにヒトを使って、アリアの側にいれば良かったと今更どうにもならないことにため息をつく。
「いやぁー私もびっくりです。ロイ様の話からてっきり相思相愛のラブラブ夫婦なのかと思ったら完全にロイ様の片想いじゃないですか? アリア様白い結婚離婚秒読みって言ってましたよ」
ヒナはおかしそうに笑ってそう言う。
「しねぇよ!!」
今すぐ公に否定したいのにそれすら叶わない状況にため息をつきながら、ロイはその原因を作ってしまった数週間前の自分を恨めしく思う。
「アリア、傷ついて泣いてないと良いんだが」
心配そうにそうつぶやくロイに、
「アリア様着々と離婚の準備進めてましたよ」
めっちゃ前向きでしたとヒナは丁寧に傷口に塩を塗っていく。
「止めろよ!!」
「んー私に言われても」
私、一介の異世界人だしねぇとヒナは、執務室にいる他の面々に視線を流す。
「殿下。恐れながら、申し上げます。ヒナ様を責めるのはお門違いというものではないでしょうか?」
と、アリアから預かったロイのお誘いお断りの手紙を持って来たマリーは肩を竦める。
「……マリー、お前俺が毎日離宮までアリアの事見舞いに行っていたの知ってたよな!?」
なんでフォローしてくれないかなとロイはマリーに対して恨めしい視線を寄越す。
「ええ、もちろんでございます。毎日毎日毎日毎日、よくもまぁこれだけ色々持ってくるなぁと感心するほどでございました。おかげで姫様のクローゼットの中はパンパンですよ」
ちなみに殿下が持って来られるドレスとかは全部姫様の趣味じゃないやつですとマリーは今更情報をここで開示し、
「申し訳ありませんが、姫様が是といえばそれが全てなので」
ロイからの視線を綺麗に流したマリーは侍女らしく恭しい礼をした。
いっそのことアリア本人に詰め寄られて責められたかった。
でもアリアが選んだ答えは、同意。
きっとアリアの事だから、皇太子らしく国のために秤にかけるまでもなく妃を切り捨てる事を選んだんだろうと判断したに違いない。
「アリアの無駄に回る気遣いと察しの良さが憎い」
でもこの場合は完全に読み違いだとロイは全力で抗議したい。
やっと目が覚めたのに、とロイは嘆く。
こんな事なら多少回りくどくなっても自ら出向かずにヒトを使って、アリアの側にいれば良かったと今更どうにもならないことにため息をつく。
「いやぁー私もびっくりです。ロイ様の話からてっきり相思相愛のラブラブ夫婦なのかと思ったら完全にロイ様の片想いじゃないですか? アリア様白い結婚離婚秒読みって言ってましたよ」
ヒナはおかしそうに笑ってそう言う。
「しねぇよ!!」
今すぐ公に否定したいのにそれすら叶わない状況にため息をつきながら、ロイはその原因を作ってしまった数週間前の自分を恨めしく思う。
「アリア、傷ついて泣いてないと良いんだが」
心配そうにそうつぶやくロイに、
「アリア様着々と離婚の準備進めてましたよ」
めっちゃ前向きでしたとヒナは丁寧に傷口に塩を塗っていく。
「止めろよ!!」
「んー私に言われても」
私、一介の異世界人だしねぇとヒナは、執務室にいる他の面々に視線を流す。
「殿下。恐れながら、申し上げます。ヒナ様を責めるのはお門違いというものではないでしょうか?」
と、アリアから預かったロイのお誘いお断りの手紙を持って来たマリーは肩を竦める。
「……マリー、お前俺が毎日離宮までアリアの事見舞いに行っていたの知ってたよな!?」
なんでフォローしてくれないかなとロイはマリーに対して恨めしい視線を寄越す。
「ええ、もちろんでございます。毎日毎日毎日毎日、よくもまぁこれだけ色々持ってくるなぁと感心するほどでございました。おかげで姫様のクローゼットの中はパンパンですよ」
ちなみに殿下が持って来られるドレスとかは全部姫様の趣味じゃないやつですとマリーは今更情報をここで開示し、
「申し訳ありませんが、姫様が是といえばそれが全てなので」
ロイからの視線を綺麗に流したマリーは侍女らしく恭しい礼をした。