人生3度目の悪役姫は物語からの退場を希望する
「いやぁ、普段あれだけかっこよく剣を振り回して無双するアリア様が騎士服脱いだあとは超絶可愛いお姫様とかギャップがたまらないっ。嫁にしたい」
私騎士好きなんですよと騒ぐヒナに。
「残念だったな、既にアリアは俺の妻だ」
やらねぇよとじとっとヒナを睨みつつ、この画像欲しいんだけどとヒナからスマホを取り上げる。
「あーダメです。そのスマホには私の二次元の嫁がぁぁあー!」
まだ分割払い終わってないんだから壊さないでぇーと叫ぶヒナは、ロイからスマホを取り返そうとぴょんぴょん跳ねる。
「お前、嫁何人いるんだよ!?」
そもそもヒナのいう嫁ってどう言う意味だよ!? と呆れ顔のロイはスマホを片手に手を高く上げる。
もともと長身のロイが高く手をあげてしまったらどれだけ頑張ってもヒナでは手が届かない。
「〜〜〜---ロイ様イジワルですっ」
もう、っとヒナが勢いよく跳んだところで着地に失敗し、足を挫いて盛大に転けそうになる。
「あぶない、ヒナお前はもう少し落ち着けよ」
それを片手で難なく受け止めたロイはほっとしたように言葉を落とす。
整った顔がすぐ近くにあり、眼福だと思うと同時にヒナは力強い腕に支えられているという事実に赤面しそうになる。
「ほら、返す。怪我ないか?」
自分が悪いというのに、助けてくれた上謝り怪我の心配してくれるロイを見て、基本的にロイは優しくて良い人なんだよなぁとヒナは思う。
2人が近い距離で見つめ合う形になっていたタイミングで、
「…………お取り込み中、申し訳ありません」
控えめに、凛とした声が部屋に響いた。
「アリア」
声を聞いてばっとヒナから離れたロイと目が合ったアリアは、申し訳なさそうに眉根を寄せて、
「殿下あての報告書が一枚、私の方に紛れていたようなので」
端的に用件を告げた。
足早に近づき机に置いたアリアは、
「お邪魔してしまい、すみません」
本日休暇のためドレスを着ていたアリアは淑女らしく礼をした。
「アリア、これは」
アリアはロイと目を合わせることもなく首を振り、良いのですと言葉を落とすとくるりと踵を返す。
「マリー、戻りましょう。アレクお兄様もあまり殿下とヒナの邪魔をしてはいけませんよ」
振り向きざまにそう言って、ドアの前で立ち止まると、
「ヒナ、別に私との約束は今日でなくても大丈夫よ?」
キャンセルなら連絡を寄越してねと淡いピンク色の瞳を優しく細めて微笑むとそのまま去っていった。
「う〜わ」
「あーこれは」
「えーと、ロイ様ごめんね?」
アリアの対応に固まってしまったロイに、三者三様に声をかける。
「俺に対しての信頼度ゼロか」
「ゼロどころかマイナスに振り切っていると思いますよ」
ばさっと言い切ったマリーは姫様がお呼びなのでと一礼してその背をおいかけた。
「浮気現場押さえられたね、ロイ」
「…………勘弁してくれ」
どうせ追いかけたところで、離宮に足を踏み入れさせてすらもらえないのでロイは深い深いため息をついて、なんでこうなったとつぶやいた。
私騎士好きなんですよと騒ぐヒナに。
「残念だったな、既にアリアは俺の妻だ」
やらねぇよとじとっとヒナを睨みつつ、この画像欲しいんだけどとヒナからスマホを取り上げる。
「あーダメです。そのスマホには私の二次元の嫁がぁぁあー!」
まだ分割払い終わってないんだから壊さないでぇーと叫ぶヒナは、ロイからスマホを取り返そうとぴょんぴょん跳ねる。
「お前、嫁何人いるんだよ!?」
そもそもヒナのいう嫁ってどう言う意味だよ!? と呆れ顔のロイはスマホを片手に手を高く上げる。
もともと長身のロイが高く手をあげてしまったらどれだけ頑張ってもヒナでは手が届かない。
「〜〜〜---ロイ様イジワルですっ」
もう、っとヒナが勢いよく跳んだところで着地に失敗し、足を挫いて盛大に転けそうになる。
「あぶない、ヒナお前はもう少し落ち着けよ」
それを片手で難なく受け止めたロイはほっとしたように言葉を落とす。
整った顔がすぐ近くにあり、眼福だと思うと同時にヒナは力強い腕に支えられているという事実に赤面しそうになる。
「ほら、返す。怪我ないか?」
自分が悪いというのに、助けてくれた上謝り怪我の心配してくれるロイを見て、基本的にロイは優しくて良い人なんだよなぁとヒナは思う。
2人が近い距離で見つめ合う形になっていたタイミングで、
「…………お取り込み中、申し訳ありません」
控えめに、凛とした声が部屋に響いた。
「アリア」
声を聞いてばっとヒナから離れたロイと目が合ったアリアは、申し訳なさそうに眉根を寄せて、
「殿下あての報告書が一枚、私の方に紛れていたようなので」
端的に用件を告げた。
足早に近づき机に置いたアリアは、
「お邪魔してしまい、すみません」
本日休暇のためドレスを着ていたアリアは淑女らしく礼をした。
「アリア、これは」
アリアはロイと目を合わせることもなく首を振り、良いのですと言葉を落とすとくるりと踵を返す。
「マリー、戻りましょう。アレクお兄様もあまり殿下とヒナの邪魔をしてはいけませんよ」
振り向きざまにそう言って、ドアの前で立ち止まると、
「ヒナ、別に私との約束は今日でなくても大丈夫よ?」
キャンセルなら連絡を寄越してねと淡いピンク色の瞳を優しく細めて微笑むとそのまま去っていった。
「う〜わ」
「あーこれは」
「えーと、ロイ様ごめんね?」
アリアの対応に固まってしまったロイに、三者三様に声をかける。
「俺に対しての信頼度ゼロか」
「ゼロどころかマイナスに振り切っていると思いますよ」
ばさっと言い切ったマリーは姫様がお呼びなのでと一礼してその背をおいかけた。
「浮気現場押さえられたね、ロイ」
「…………勘弁してくれ」
どうせ追いかけたところで、離宮に足を踏み入れさせてすらもらえないのでロイは深い深いため息をついて、なんでこうなったとつぶやいた。