人生3度目の悪役姫は物語からの退場を希望する
「ロイ様! 笑い事じゃありませんよ!! どーするんですかこの後」
いやいやいやいや、色々不味いわ!! とツッコむルークに、
「本当、どうするかな。まぁ、でも責任取る約束したしな」
まぁこれから考えるとロイは軽く流した。
「……怒ってないの?」
「まぁ、やり過ぎ感はあるけど、俺は嫌いじゃないぞ。ちゃんと結果出してるし」
いい子いい子とアリアの事を笑いながら撫でるロイに、
「殿下、あんまり甘やかすとあと大変ですよ。だから取り扱い注意って言ったじゃないですか」
とマリーは再度ロイに忠告する。
「ちなみにキルリアでコレやるとアリアはどうなるわけ?」
「ルシェお兄様に鉄拳喰らって頭グリグリされたあと、本載せた上で正座させられて"やり過ぎだ、馬鹿タレが。誰がこの後処理すると思ってんだっ"ってお説教されます」
「なるほど。ルシェ殿は褒めてくれないのか?」
「怒ったあと、いっぱい褒めてくれます」
兄に褒められた時の事を思い出したのか、はにかんだように笑うアリアを見て、ロイの琥珀色の瞳が優しく丸くなる。
「そんな、顔もするんだな。アリアは」
触れられるくらいの近さでふっと笑ったロイの顔に見惚れ、アリアの心音が高鳴る。
その音が怖くてアリアは顔を伏せた。
(嫌だ。せっかく、違う関係が築けそうなのに)
「お、下ろしてくださいっ。子どもじゃないんですから」
ぱっと顔を背けたアリアの反応に、ロイは少し名残惜しさを感じながらもせっかく詰めた距離がまた開いてもなと思いアリアを解放した。
離れた事で平静を取り戻したアリアは、自分を落ち着かせるように大丈夫と言い聞かせる。
(きっと、急に褒められたからびっくりしたのね)
すぐに元に戻った心音にホッとして、アリアは落ち着きを取り戻す。
(良かった。別に恋に落ちたわけじゃなかった)
あからさまにほっとした表情のアリアを見て、ロイは仕方ないなと内心でため息を漏らし、まだダメなんだろうなと悟る。そんな気持ちを呑み込んで、ロイはアリアに問いかける。
「アリア、楽しかったか?」
ロイにあんな態度をとったのに怒られるでも不快に思われるでもなく、問われた言葉に驚いて淡いピンク色の目を瞬かせたアリアは、
「すっごく」
素直な気持ちをロイに告げた。
「なら、良かった」
ロイはアリアに伸ばしかけた手を握りしめ、そう言って笑う。
あの晩泣いたアリアの心の傷はきっとまだ癒えていない。だから、アリアが自分の方を向けるまで待とうと離れている間にそう決めた。
「じゃあ、アリア。そろそろ次の"楽しい"を始めようか?」
アリアに発破をかけるように琥珀色の瞳はニヤリと口角を上げて意地悪く笑う。
そんなロイを見て、何故かとてもワクワクしたアリアは満面の笑みでハイと頷いた。
いやいやいやいや、色々不味いわ!! とツッコむルークに、
「本当、どうするかな。まぁ、でも責任取る約束したしな」
まぁこれから考えるとロイは軽く流した。
「……怒ってないの?」
「まぁ、やり過ぎ感はあるけど、俺は嫌いじゃないぞ。ちゃんと結果出してるし」
いい子いい子とアリアの事を笑いながら撫でるロイに、
「殿下、あんまり甘やかすとあと大変ですよ。だから取り扱い注意って言ったじゃないですか」
とマリーは再度ロイに忠告する。
「ちなみにキルリアでコレやるとアリアはどうなるわけ?」
「ルシェお兄様に鉄拳喰らって頭グリグリされたあと、本載せた上で正座させられて"やり過ぎだ、馬鹿タレが。誰がこの後処理すると思ってんだっ"ってお説教されます」
「なるほど。ルシェ殿は褒めてくれないのか?」
「怒ったあと、いっぱい褒めてくれます」
兄に褒められた時の事を思い出したのか、はにかんだように笑うアリアを見て、ロイの琥珀色の瞳が優しく丸くなる。
「そんな、顔もするんだな。アリアは」
触れられるくらいの近さでふっと笑ったロイの顔に見惚れ、アリアの心音が高鳴る。
その音が怖くてアリアは顔を伏せた。
(嫌だ。せっかく、違う関係が築けそうなのに)
「お、下ろしてくださいっ。子どもじゃないんですから」
ぱっと顔を背けたアリアの反応に、ロイは少し名残惜しさを感じながらもせっかく詰めた距離がまた開いてもなと思いアリアを解放した。
離れた事で平静を取り戻したアリアは、自分を落ち着かせるように大丈夫と言い聞かせる。
(きっと、急に褒められたからびっくりしたのね)
すぐに元に戻った心音にホッとして、アリアは落ち着きを取り戻す。
(良かった。別に恋に落ちたわけじゃなかった)
あからさまにほっとした表情のアリアを見て、ロイは仕方ないなと内心でため息を漏らし、まだダメなんだろうなと悟る。そんな気持ちを呑み込んで、ロイはアリアに問いかける。
「アリア、楽しかったか?」
ロイにあんな態度をとったのに怒られるでも不快に思われるでもなく、問われた言葉に驚いて淡いピンク色の目を瞬かせたアリアは、
「すっごく」
素直な気持ちをロイに告げた。
「なら、良かった」
ロイはアリアに伸ばしかけた手を握りしめ、そう言って笑う。
あの晩泣いたアリアの心の傷はきっとまだ癒えていない。だから、アリアが自分の方を向けるまで待とうと離れている間にそう決めた。
「じゃあ、アリア。そろそろ次の"楽しい"を始めようか?」
アリアに発破をかけるように琥珀色の瞳はニヤリと口角を上げて意地悪く笑う。
そんなロイを見て、何故かとてもワクワクしたアリアは満面の笑みでハイと頷いた。