悪役令嬢と臆病な子犬
気が付くと明るい部屋のソファに寝かされており、合コンにいた男たちはどこにもいなかった。
ゆっくりと起き上がる。
頭が痛い…。
「大丈夫ですか?」
カラオケの店員なのだろうか。エプロンを付けた女性が話しかけてきた。
「少し頭痛が…。」
「一緒にいた男性たちはご友人ですか?」
「…いいえ、人数が足りないからと誘われた合コンにいた人たちで初めて会いました。」
「…そう。うちの男性スタッフが異変に気付いて部屋に入った瞬間に逃げられてしまって。下着は身に着けていたそうだから最後まではされていないと思うわ。どこか体でおかしなところある?」
「体は大丈夫です。…そうでしたか、助けていただいてありがとうございます。」
深々と頭を下げてお礼をした。
「警察に連絡する?」
「いいえ、大事にしたくないので…。」
「訴える気になったらいつでも連絡してね。うちのスタッフに証言させるし防犯カメラの提供もするから!」
ここで警察沙汰になればきっと渚も巻き込んでしまう。そう思った。
何があっても渚を巻き込んではいけない。
その日をきっかけに、伊藤さんからの嫌がらせは続き限界を迎えたのだった。
ゆっくりと起き上がる。
頭が痛い…。
「大丈夫ですか?」
カラオケの店員なのだろうか。エプロンを付けた女性が話しかけてきた。
「少し頭痛が…。」
「一緒にいた男性たちはご友人ですか?」
「…いいえ、人数が足りないからと誘われた合コンにいた人たちで初めて会いました。」
「…そう。うちの男性スタッフが異変に気付いて部屋に入った瞬間に逃げられてしまって。下着は身に着けていたそうだから最後まではされていないと思うわ。どこか体でおかしなところある?」
「体は大丈夫です。…そうでしたか、助けていただいてありがとうございます。」
深々と頭を下げてお礼をした。
「警察に連絡する?」
「いいえ、大事にしたくないので…。」
「訴える気になったらいつでも連絡してね。うちのスタッフに証言させるし防犯カメラの提供もするから!」
ここで警察沙汰になればきっと渚も巻き込んでしまう。そう思った。
何があっても渚を巻き込んではいけない。
その日をきっかけに、伊藤さんからの嫌がらせは続き限界を迎えたのだった。