アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「おいおい、ミヨ。そんなにムキになることはないだろう? たしかに、きみの言う通りだ。街のレディにしろ貴族のレディにしろ、みんな同じだ。同じ流行を追い、極めようとするからね。きみのようにやっかみから反骨精神を丸出しにしている方が、すごく個性的だ。それはそれで、めちゃくちゃ面白いだろう」

 コリンが言ってくれたけど、よくよく考えたら微妙な内容だわ。

「そろそろ真面目な話をしよう」

 バーナードは、ちょうどいいタイミングで手を叩いて全員の注意をひいた。

「ノーラ」

 わたしの隣に座っている彼女の前に、コリンが両膝を折って目線を合わせた。


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