アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
 それに、わたし自身は食べ慣れていないせいか、スイーツよりがっつりした食事の方がずっといい。

 ノーラに話を振ってみたものの、彼女がどういう反応をするのか気になった。

 彼女と視線が合うと、彼女は大きくうなずいた。

 なんてこと。もしかして、彼女、いま笑おうとしていた? ひきつったような感じだったけど、ちょっとだけ口角が上がったように見えた。

 だとしたら、ずいぶんと前進しているわ。

 心底うれしくなった。

「父上、ぼくは全スイーツをいただきます」

 ヘンリーもノーラの表情の変化に気がついたみたい。

 胸を張って宣言した。
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