アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「レディたちとトークをしながら食おう」
「いただきます」

 クレイグの言葉で、みんなで手を合わせて作ってくれたパティシエやお店の人たちに感謝をした。それから、ワイワイとお喋りをしながら食べた。

 ケーキってこんなに美味しかったのね。

 いつ食べたかも思い出せない。おそらく、お父様とお母様がまだ生きていらっしゃったときに食べたでしょう。
 お母様は、スイーツが大好きだったと記憶しているかは。

 ケーキじたいの美味しさだけでなく、みんなでこうして話をしながら食べるということも美味しさにつながっているに違いない。

 ノーラの表情もやわらかくなってきているのが、よりいっそう美味しく感じられるのね。

 結局、四人で五十個近くあったケーキを完食してしまった。
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