アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「二人とも、心配してくれてありがとう。大丈夫よ」

 小声で答えると、二人とも安心したようだった。

「レディ、気を遣わせて悪かったな」

 突然、大ボス「マーダー・チャーリー」が謝ってきたのでドキリとした。

「い、いえ。わたしの方こそ、せっかくの好意をとんでもないことになってしまって」

 恐縮しきりである。

「それにしても、ケーキを腹一杯食った後にあれだけまた食ってしまうとはな。それは、吐きたくもなる。よく食えたものだ」
「ほんとうに申しわけありません」

 これでまた、わたしは自分の黒歴史を更新してしまった。

 あとでコリンになにを言われるか、と考えると憂鬱になる。
< 146 / 303 >

この作品をシェア

pagetop