アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~

お茶会直前

「ノーラ」

 心の中で腐っていると、その声に現実に引き戻された。

「ノーラ。おお、よかった。元気そうだね」

 声のする方を見ると、タキシード姿の知的な容貌の紳士がこちらに向ってくる。

「あ、あなたが、アッシュフィールド公爵?」

 そして、コリンを見た瞬間に知的紳士は歩を止めた。
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