アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~

「こんなことも出来ないのか?」って言われましても……

 そして、即行動に移した。

 それが、わたしのモットーだから。

 すなわち、さっさと居間の扉へ歩き始めた。

「おっ、おい、どうしたんだ?」

 コリンの戸惑ったような問いが背中にあたった。
「公爵閣下。きまっていますわ。お茶の淹れ方を教えていただくのです。ついでに、そのお茶の歴史や生産工程、流通過程も教えてくださいな」

 彼を振り返りもせず、きっぱりすっきりくっきり言ってやった。

 そのときにはすでに扉のノブをまわしている。
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