アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
背中がジンジンと痛む。それから、彼の心臓の鼓動が大きすぎて耳も痛い。
いいえ。もしかして、わたし? これは、わたしの心臓の鼓動の音?
どちらのものなのか、あるいは二人の二つの心臓の音なのか、判断が難しい。
「おれは許さない。きみを傷つけた者たちを。たとえ世間や周囲に非難されようと、すべてを失おうと、おれはきみを傷つけた者たちを許さない」
穏やかでないそのささやきを、彼の胸の中できいている。
彼になにも求めてはいけない。彼を欲してはいけない。
彼の胸の中でささやき声をききながら、自分自身にそう言いきかせている。
言いきかせているのに、心の中はまったく反対の感情が渦巻いている。
いいえ。もしかして、わたし? これは、わたしの心臓の鼓動の音?
どちらのものなのか、あるいは二人の二つの心臓の音なのか、判断が難しい。
「おれは許さない。きみを傷つけた者たちを。たとえ世間や周囲に非難されようと、すべてを失おうと、おれはきみを傷つけた者たちを許さない」
穏やかでないそのささやきを、彼の胸の中できいている。
彼になにも求めてはいけない。彼を欲してはいけない。
彼の胸の中でささやき声をききながら、自分自身にそう言いきかせている。
言いきかせているのに、心の中はまったく反対の感情が渦巻いている。