アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
 公爵夫人っていったいなにかしら?

 ド底辺のわたしだけど、一応は貴族令嬢だった。って、まだそうなんだけど。

 それはともかく、物心ついたときから一応マナーや常識は学んでいる。それに両親のお供で王宮に出入りし、上位貴族や遠くの方にいる王族にも会ったり見たりしている。

 つまり、ある程度のマナーは身についているはず。

 それを差し引いても、公爵夫人はすごいと実感出来る。

 というよりか、わたしが公爵夫人になれるとは到底思えなくなってきている。

 まず、歩き方から注意された。

 小説の中のワンシーンみたいに、本を頭の上に置いて背筋をピンと伸ばして歩くという方法。

 こんな初歩的なことから、すでにダメだしをされてしまった。

 歩き方だけではない。立ち居振る舞いのすべてを、基礎からやり直さなければならない。
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