アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「大丈夫」

 ヘンリーがしっかりした声で答えた。

 なにか男らしくなった気がするのは気のせいかしら?

「ノーラ、あなたは? 大丈夫だった?」

 ノーラの頬をなで、彼女と視線を合わせる。

 彼女は、小さいけれどしっかり頷いた。

「よかったわ。さあ、寝台の上に座りなさい。あの後、どんなことがあったか教えてくれる?」

 促すと、二人ともうれしそうに寝台の上に並んで座った。
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