アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
 ノーラを抱きしめたままヘンリーの話をきき、その光景を容易に目に浮かべることが出来た。

「コンコン」

 そのとき、また扉がノックされた。

「どうぞ」

 応じると、顔を見せたのは執事役のジェフだった。

「奥様、法務大臣閣下がお見えでございます」
「法務大臣? ああ、昨日の……」

 たしか、わたしを鞭打ったサザーランド伯爵の奥様のお身内よね。
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