アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「こんなことも出来ないのか?」

 それが、彼の口癖である。

 不可思議なことに、どんなことでも真面目に、というよりかは必死になってやっているのはわたしだけである。

 マナーにしろ勉強にしろダンスや乗馬やナイフにしろ、傲慢男のコリンはヨユーな感じである。

 というか、すごく自然にこなしている。まるでもともと身についているみたいに。

 彼だけではない。

 義父役のクレイグ。子ども役のヘンリーですら、なんでもスムーズにこなしている。

 どうして?

 どうしてわたしだけ、根性丸出しで苦労しなくてはならないわけ?
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