アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~
「その、昨日はごめん」

 フランクがモジモジしながら、ヘンリーとノーラに言っているところだった。

「ひどいことを言ったことは取り消せない。だけど、あれは本心じゃなかった」

 どうやら、ヘンリーとノーラにというよりかはノーラに言っているようだ。

「『もういいよ』ってノーラが言っている。それよりも、大丈夫か?」

 ヘンリーがノーラにかわって応じたばかりか、気遣いまでみせた。

「ほんとに? よかった。あ、お、おれ? おれは、大丈夫。きみたちの母上のお蔭だ。きみたちの母上ってすごいな」

 ワオ。フランク。あなた、じつはとってもいい子なのね。
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