アッシュフィールド公爵夫妻の偽りの日々と存在しない愛~あなたの愛や絆は期待していませんのでご心配なく~

ろくでなしの叔父一家に見せつけるのよ

「奥様」

 ジェフが近づいて来た。

「申し訳ございません。エントランスでお待ちいただいていたはずが、テラスから勝手に……」
「あなたのせいじゃないわ。彼らが悪いのよ」

 ジェフにささやいてから叔父たちをにらみつけ、さらに居丈高になるよう努力した。

「とにかく、あなたたちはいますぐ出て行ってちょうだい」

 いまのどうだったかしら?

 うまく出来たことを祈るしかない。

 体が震えている。

 その震えが、怖れによるものでないことを祈るしかない。
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